今回の勉強会では周術期の口腔管理についてまとめました。
周術期の口腔管理というのは、手術を受ける予定の患者さんに対して、術前・術中・術後に必要な歯科治療をしたり、口腔ケアを行うことです。
全身麻酔下で手術をする場合は、挿管による歯の脱臼や破折防止のためにも揺れている歯や、感染源となる歯の治療が必要になります。
主に、消化器がんや口腔がん、心疾患等に口腔ケアや歯科処置が必要です。
◎消化器がんでは、手術後に消化機能が低下するため、噛んで食べ物を小さくし、消化器に負担がかからないように、しっかり噛める口腔内環境を整える必要があります。
◎口腔がんでは、傷口が唾液にさらさらるため、手術後に傷口が感染しやすいです。そのため、手術前に口腔内を綺麗にして細菌の数を減らしておくことが重
要です。また、舌、歯、顎などの欠損により、お家でのセルフケアが困難になります。
◎心疾患では手術後に体の免疫が下がり肺炎のリスクが高くなるため、口腔内細菌を減少させることで肺炎の予防ができます。
また、がんの治療で放射線治療や化学療法を受ける方はお口の中にも口腔乾燥や、味覚障害、粘膜炎など、副作用が現れますが、治療が終われば症状が治まるケースが多いです。
今回の勉強会で、周術期に関する歯科衛生士の役割や、口腔ケア、歯科治療の重要性を再確認することができました。
Nomura