『認知症について(アルツハイマー型認知症、 レビー小体認知症について)』
先日、先週、NPO法人の摂食介護プロジェクト主催の講演会に行ってきました。
東京都健康長寿医療センター神経内科医長 金田大太先生より
「認知症疾患の再理解」
東京都健康長寿医療センター研究所 研究員の伊東美緒先生より
「認知症の方の食支援・食事介助のヒントをユマニチュードRから探る」
をご講演いただきました。
今回の勉強会は、講演の内容を参考にしつつ…認知症の基礎について発表しました!
認知症とは・・
認知機能が低下し、生活に支障をきたすようになった状態
アルツハイマー型認知症
β(ベータ)アミロイド というタンパク質が脳の神経細胞の周りに老人斑と呼ばれる「しみ」として蓄積します。
リン酸化タウというタンパク質が神経原線維変化と呼ばれる「糸くず」として神経細胞の中に蓄積したりするために、神経細胞の働きが衰えて認知症を引き起こします。
アルツハイマー型認知症では
たんぱく質はおもに海馬や後帯状回、頭頂葉などに溜まります。
たんぱく質がたまることでアセチルコリンの分泌が減る
記憶の中枢である海馬は、脳の中でも特に
「アセチルコリン」が多いです!!
★治療法は・・
アセチルコリン量を増やし、アルツハイマー型認知症を治療する!
治療薬はドネペジル(商品名:アリセプト)。
ドネペジルは病気の症状を改善するわけではなく、あくまでも「病気の症状を遅らせる薬」。
★アルツハイマー型認知症によくみられる徴候
・失語の出始め
・もっともらしさ、とりつくろい
・わからないから笑顔でとりつくろう
・オーバーにニコニコしていたりする
・振り向き徴候
・問診時の質問に対して家族の方を向く
・家族に答えさせようとする
レビー小体型認知症
レビー小体型認知症の原因は、脳や脳幹での「レビー小体」という特殊なタンパク質の蓄積。脳の神経伝達物資減少・死滅し、神経系の働きの低下を招くことで様々な症状が現れる。脳の後頭葉などに多くたまる。後頭葉は視覚情報を捉えるところ。
★症状
初期の段階で物忘れより幻視が見られる
人や虫がいると訴える、空中に手を伸ばす、壁に話しかけるなど
認知機能の変動
レビー小体型では、頭がはっきりした調子の良い時と、ぼーっとしている時を繰り返しながら進行する。
レム睡眠行動障害
睡眠のリズムが狂い、睡眠障害が出てくる。寝ているときに大声で叫んだり暴れたりする。
パーキンソン症状
筋肉や関節がこわばったようになり、動かしにくくなる症状
歩幅が小さく小刻みになったり、動作が遅くなる、無表情になるなど。
薬に対する過敏性
脳内の神経伝達物質のバランスが極端におかしくなっており、そのために副作用が出やすいと考えられています。
その中でも中核薬と呼ばれているアリセプト、レミニール、リバスタッチや抗精神病薬での副作用が最も多く報告
特にアリセプトは増量していく過程でパーキンソン症状が強く出ることが報告されており注意が必要!あと抗精神病薬もパーキンソン症状がでやすいため注意!!
認知機能を改善させる目的で飲んだ薬で傾眠になったり、歩行が難しくなるといった副作用がでることがあります。
認知症が進行するにつれて口腔内の問題が放置されてしまいがちです…
その人がその人らしく生涯自分の歯でご飯が食べられるように 治療困難になる前に治すべきところはしっかり治療し、歯のクリーニングも定期的に受ける必要があります。
KAJIMOTO