歯周病と糖尿病の関係性
糖尿病について
血糖値とは、血液中のブドウ糖濃度のことで、ブドウ糖は私たちが生きていくためには欠かせないエネルギー源です。
『糖尿病』とは、その血糖値が何らかの原因で、慢性的に異常に高くなってしまう病気です。
糖尿病患者は年々増加し、40歳以上の3人に1人ともいわれています。
血糖値とインスリンの関係
誰でも食事をとれば血糖値は上がりますが、健康な人であれば、どんなに食べても血糖値はある一定の数値を超えることはありません。食べ物が身体に入ってくると、すい臓のβ細胞が血糖上昇を敏感に感じ取り、インスリンというホルモンを分泌するからです。
しかし、過食や運動不足が続き、身体に脂肪が多過ぎる状態は、インスリンの効きも悪くさせます。
HbA1c値
血管内でブドウ糖がヘモグロビンに結合してグリコヘモグロビン(HbA1c)を形成します。
HbA1cの正常値は6.2%未満です。これが6.5%になると、糖尿病と診断されます。
8.0%以上は合併症が進みやすい状態です。
8.4%以上の状態を放っておくと、足の感覚が麻痺したり、視力の低下、腎不全となり人工透析が必要になります。
歯周病と糖尿病の関係性
糖尿病になると身体を守る免疫機能の低下がおき、傷の治りが悪くなります。
歯周病は細菌の感染によって引き起こされる病気ですので、糖尿病があると細菌に対する
抵抗力が弱く歯周病が進行しやすいのです。その逆の問題もあります。
歯周病により、歯肉の中で作り出される炎症性物質は、血液を介して血糖をコントロールするホルモンであるインスリンの働きを妨げ、糖尿病を悪化させる可能性があります。
以上のように、糖尿病と歯周病は相互に悪影響を及ぼし合います。
しかし近年では、糖尿病患者の歯周病を徹底的に治療することで、血糖コントロールがきちんと改善されたという報告がよくみられるようになってきました。
糖尿病と歯周病を同時にきちんと治療していけば、双方に良い影響を与え合うことは間違いありません。
MIURA