兵庫リウマチ医療研究会に参加してきました!!
関節リウマチ(RA)について
今回は、研究会の内容を参考にしつつ、基礎と歯科との関わりについて勉強しました。
関節リウマチとは….
関節が腫れ、放っておくと関節が変形してしまう病気 です。
手足の関節で起こりやすく、左右の関節で同時に症状が生じやすいです。
その他にも発熱や疲れやすい、食欲がないなどの全身症状が生じ、関節の炎症が肺や血管など全身に広がることもあります。
膠原病に分類されます。(真皮・靱帯・腱・骨・軟骨などを構成する蛋白質であるコラーゲンに全身的に障害・炎症を生じる様々な疾患の総称)
免疫系が自分自身の組織を攻撃することで起こるといわれています。
関節リウマチで生じる関節の腫れと痛みは、免疫の働きに異常が生じたために起こると考えられています。
※免疫とは ・・・
外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを攻撃して破壊し、それらを排除する働きを担っているます。
しかし、免疫に異常が生じると、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してします。
それにより炎症が起こり、関節の腫れや痛みとなって現れてきます。
その炎症が続くと、関節の周囲を取り囲んでいる滑膜が腫れ上がり、さらに炎症が悪化して、骨や軟骨を破壊します。
炎症の悪化を引き起こすのはIL-6やTNFαなどのサイトカイン
体内で炎症が生じたときには、サイトカインという物質が過剰に分泌され、それが炎症を悪化させます。
治療方法・・・薬物療法 リハビリテーション 手術療法など
●薬物療法
大きく分けて3つあります
・抗炎症薬(NSAID、ステロイド)・・炎症を抑え、痛みや腫れを軽くする
・抗リウマチ薬・・免疫に働きかけ、進行を抑制する
★メトトレキサート(MTX)(商品名:リウマトレックスR、商品名:メトレートR、商品名:メソトレキセートRなど)
関節リウマチ治療において最も基本となる重要な薬。
・生物学的製剤・・新しい抗リウマチ薬。サイトカインに働きかける
歯科との関係性
①顎関節の破壊からくる不正咬合、呼吸障害
②口腔乾燥
自己免疫疾患であるシェーグレン症候群(sjs)を 20-30%の関節リウマチの患者様は発症し、重度の口腔乾燥を起こす。→唾液が少なくなると自称作用が低下し、虫歯ができやすくなります
③歯周病や齲蝕
関節リウマチの進行に伴い、腕や手指に運動障害が起こり、歯ブラシや歯間ブラシなどの清掃器具を使いにくくなり、口腔内の清掃不良により歯周病や齲蝕が多発。
また、歯周病菌の Pg 菌の持つ酵素によりリウマチに関係する自己抗体が増えるため、リウマチが重症化しやすいといわれています。
④治療薬の副作用
関節リウマチで一般に使われる治療薬の MTX、や生物学的製剤、ステロイド薬には免疫を抑える作用があるため、歯周病が重症化しやすい。
MTX を服用していると、口内炎や血小板減少に伴う歯肉からの出血が副作用として出てくる場合があります
リウマチと口腔は実はこんなに関わりがあるのです!
リウマチだけでなく、お口の健康は高血圧や糖尿病、、脳血管障害など全身の健康にも関わってきます。
普段からお口の中を清潔に保つことで様々な疾患の予防になるのです。
やはり定期的なメンテナンスは欠かせませんね!
kajimoto
参考文献:
歯周病と関節リウマチ 日本歯科衛生士会
兵庫リウマチチーム医療研究会 配布資料