高血圧について
高血圧について
まず始めに
高血圧とは、収縮期血圧140mmHg以上 拡張期血圧90mmHg以上のどちらかまたは、双方をみとめるものをいいます。
そして高血圧は大きく分けて2種類に分類されます!
1. 本態性高血圧 原因が明らかでないもの。高血圧患者の90%近くを占める。
血圧上昇要因には、肥満や運動不足、塩分・アルコールの摂りすぎ、遺伝、ストレス、喫煙、寒冷刺激などがあります。
2. 二次性高血圧 明らかな原因疾患があり、その結果高血圧をきたしたもの。
今回は,本態性高血圧になる原因のひとつである「塩分の過剰摂取」が高血圧を引き起こす仕組みについてお話します。
なぜ、「塩分の過剰摂取」が高血圧に繋がるのでしょうか。
普段、細胞は【内側】に【カリウムイオン】、 【外側】に【ナトリウムイオン】が多い状態で活動しています。ところが、塩分を過剰摂取してしまうと、細胞内に【ナトリウムイオン】 が侵入し、ナトリウムイオン過剰になります。
細胞内に侵入したナトリウムを外に排出するポンプが細胞膜には存在しますが、塩分が多い食事が続くとポンプも力尽きてしまいます。
すると、細胞外に存在する【カルシウムイオン】が細部内に送り込まれて、【ナトリウムイオン】を細胞外に流していく力が働きます。
【カルシウムイオン】が細胞内に貯まってしまうと血管壁は収縮、膨張しやすくなって、厚く、固くなり柔軟性を失い、血管内径は狭くなってしまいます。
その結果、血圧が上昇してしまうのです!
塩分の過剰摂取に気を付けましょう
健康に過ごすためには、塩分を適切に摂取することが大事なことが今までのお話でわかったと思います。では、適切な量の塩分とは、どれくらいなんでしょうか?
厚生労働省は塩分、つまりナトリウムの目標量を、成人男性では一日3000mg、女性で2600mgとしています。これがどれくらいの量なのか分かりやすく例を挙げると、インスタントラーメン1食分(スープ、麺)で約2500mgのナトリウムが含まれています。
インスタントラーメンをスープまで飲みほすと、その一食だけで女性は一日のナトリウムの目標量をほぼ満たしてしまうのです。
【内側】の【カリウムイオン】 、【外側】の【ナトリウムイオン】のバランスを保つためにはカリウムの適切な量の摂取も大切です。
過剰摂取が高血圧に繋がるナトリウムと拮抗する作用のあるカリウムの摂取は高血圧の改善、予防に効果的です。では、カリウムはどのような食材に多く含まれているのでしょうか?
カリウムは野菜や果物に多く含まれています。厚生労働省では、成人は一日に緑黄色野菜120g、淡色野菜を230g(計350g)摂取することを推奨しています。
このことから、ナトリウムは簡単に過剰に摂取してしまうのに対して、カリウムは健康に過ごすために十分な量を摂取するのは、なかなか難しいことが分かります。
健康なからだづくりのために適切な量のカリウムとナトリウムを摂取することを心掛けましょう!
参考:東京アカデミー 2014年版オープンセサミシリーズ「管理栄養士」
Mastuura