口の中に常に存在する口腔常在菌と脳卒中との関連性も報告されています
脳卒中について
脳卒中とは、突然脳の血管が破れたり、詰まったりすることで脳の血液循環に障害をきたし、さまざまな症状や後遺症などを引き起こす病気です。
脳卒中は脳血管が破れる「出血性脳卒中」と、脳血管が詰まる「虚血性脳卒中(脳梗塞)」の2つに分けられます。
出血性脳卒中には「脳出血」と「クモ膜下出血」があります。
脳出血は脳で出血がありますが、クモ膜下出血は脳動脈瘤が破れて出血し、脳の表面にあるクモ膜下腔に血液が広がります。
クモ膜下出血は脳卒中のなかでもっとも生命の危険が大きい病気といわれています。
脳卒中の発症時には「手足の運動麻痺」や「呂律が回らない」などの症状がみられます。
脳卒中による死亡率の減少は高血圧の治療が最大の要因といわれています。
また介護が必要になったおもな原因では認知症に次いで脳卒中が2番目に多く、寝たきりの原因ではもっとも多くなっています。
脳卒中の最大のリスク因子は高血圧です。
脳卒中の患者さんは生活習慣に問題を抱えていた人が多いため、再発予防のために生活習慣の改善が必要になります。
喫煙による脳卒中リスクはクモ膜下出血2.9倍、脳梗塞1.9倍といわれており、歯科医院での禁煙指導は脳卒中の予防にもつながります。
また、口の中に常に存在する口腔常在菌と脳卒中との関連性も報告されています。
虫歯と関連するミュータンス菌の中には脳卒中リスクを上げる菌の存在が報告され、また歯周病の患者さんは健康な人に比べて心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクが高いといわれています。
65才以上の脳卒中患者の歯周病罹患率について調べたところ、87.2%の高い有病率でした。虫歯や、歯周病の予防は脳卒中予防の観点からも大切になります。
歯科医院に来院される脳卒中患者さんの対応として、服用薬の確認はお口の中を管理するうえでとても大切です。
特にカルシウム拮抗薬の降圧剤や抗てんかん薬を服用されている患者さんは、これらの薬剤の影響により歯肉増殖を起こし、歯周ポケットが深くなる場合があります。後遺症により歯磨きが充分にできない方には電動歯ブラシをおすすめさせ
ていただきます。
最後に歯科衛生士として食べることを支援していきたいと考えています。
お口の中を健康に保ちながら、口から食べられることへのサポートをしていきます。
入れ歯の不具合や口腔機能、飲み込みに変化がないかを評価させていただきます。
Miura