「オエッ」となってしまうことを嘔吐反射と言います

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嘔吐反射

最近、嘔吐反射が酷いため長いこと治療していなかったという患者さんが来られ、ここでは診ることが困難なため大学病院へ紹介状を出しました。その時に嘔吐反射の治療方法や、対策などにどのようなものがあるか気になり調べました。

口の中に物が入るとすぐに「オエッ」となってしまうことを嘔吐反射と言います。
舌の奥や咽頭部、口蓋と言われる部分を刺激されると誘発される反射のことです。

専門的には異常絞扼反射(いじょうこうやくはんしゃ)といいます。
本来は、身体の中に入ろうとする異物を排除しようとする生理的な防御反応ですが、この反射が条件反射として強く出てしまう人がいます。

原因

局所的、全身的、心理的(精神的)なものがあります。

(局所的)
口蓋垂、軟口蓋が長い、鼻やのどの病気
扁桃腺の病気、口内粘膜の病気、口呼吸

咽頭部へ器具が接触することが多くなるため刺激を誘発する可能性が高くなったり、鼻炎のために鼻で呼吸が出来ず口呼吸になり喉への負担が大きくなるなどの原因があります。

(全身的)
疲労、睡眠不足、空腹、貧血、糖尿病、甲状腺の病気

全身的な原因には慢性的な吐き気が大きく関わります。
疲労や睡眠不足はストレスが蓄積され自律神経の乱れにより吐き気を催します。
他にも、血糖のコントロールがなされていない糖尿病や空腹による逆流性胃炎により起こる吐き気が原因になり、嘔吐反射を誘発します。

(心理・精神的)
歯科治療に対する不安・緊張・恐怖感など、過去の経験(治療中に吐いたり、先生に怒られたなど)による歯科恐怖症、吐いてしまうことや、えづくことへの羞恥心

重程度のひとは治療への不安や緊張などが大きな原因であることが多いです。普段は、お箸や歯ブラシが口に入っても問題がない人も、不安や緊張で嘔吐反射を誘発することがあります。

対策

(患者側)
・治療以外のことを考える
・型取りやレントゲン撮影のときは、下を向いて鼻呼吸をする。
・えづきそうな時は、腹筋に力を入れたり、みぞおちを強く押す。

(医院側)
・小さい器具を使用する。
・排唾管を使用する。
・上体を起こした状態で治療を受ける
・口蓋や粘膜へ浸潤麻酔を打つ。
・笑気麻酔を使用する。

反射の程度は様々ですが、反射が強すぎて上記の対策でも治療を受けられない人は、大学病院など大きい病院や、専門の歯科で光学印象カメラや、全身麻酔を用いた治療が必要となります。

克服できる?
完全に克服するには難しいようです。
まずは少しでもコントロールが出来るように、口に水を入れて上を向き口を開けて鼻で息をするトレーニングを続けましょう。
他にも、歯ブラシで舌や口蓋をこするとどこで嘔吐反射が起こっているか見つける事が出来ます。
そこを10秒ほどこするのを毎日続けることで徐々に反射が軽減するそうです。
かなり時間がかかりますが、悩んでいる方はぜひ試してみて下さい。

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