ホワイトニングよりも、グラディアという新しい方法でうまくいきそうです
神経を取ると歯の色が黒ずんでいきます。特に前の歯の場合はよく目立ち、なんとかしてほしという方がよく来院されます。
その場合、ホワイトニングではうまくいかず、裏側から内側をくりぬき薬剤を作用させるウォーキングブリーチという方法がありますが、効果以上に、ダメージの方が大きくなり、これまではあまりやりたくない方法でした。
ところが、今年(H26)の10月に東京の未来歯科でのグラディアダイレクトセミナーで教わった内容がとても効果的で患者さんに、とても喜んでもらえることがわかりました。
グラディアダイレクトというのは、〈健保適用外〉の光重合型審美修復用コンポジットレジンで、透明性の異なるペーストの積層築盛で、自然な美しさを再現できる材料です。
http://www.gcdental.co.jp/sys/data/item/411/
それより、もっといいことは、歯を削らなくてもいいという所です。型を採る必要もありません。とても安全で、歯にやさしい方法です。
今まで二人の方に行った症例を報告したいと思います。
以下の30代の女性の方は、昔、左の前の歯の神経を取ったために色が黒くなり、長い間気にしていました。
この方の場合はたまたま歯並びが悪く、その歯が中に入っていたため、グラディアダイレクトを厚く詰めることで、歯の形もよくなりました。
術後
術前の写真があるととてもよくわかるところですが、撮り忘れたため、他の患者さんの写真を引用してみました。形は違いますが色に関してはよく似ています。
術前
術後の、斜め下と下から撮影した写真を参考にしてください。詰めた材料の厚みと、歯の裏側が黒く変色していることがわかると思います。
右の前の歯はもともといがんでいますが、普通の笑顔のときはまっすぐに見えるので問題ありません。
それよりも本人の歯を削りたくないという要望に応えられたことが大きなポイントです。
2本とも削って被せると簡単にきれいにできますが、歯の寿命は間違いなく縮まります。若い女性にとってはこの方法は間違いなく正解だと思います。
費用も被せる方法の30%くらいですから、歯にやさしいし、財布にもやさしいというウィンウィンですね。
二人目の患者さんも30台の女性の方です。左の一番前の歯が黒いことを気にして来院されました。
この方は、ホワイトコートを希望されて来院されましたが、上の方のグラディアダイレクトの写真とこの後に紹介しているホワイトコートの写真を較べて、グラディアダイレクトをすることになりました。
今度は術前の写真を忘れずに撮影させていただきました。
今回は、歯並びは問題ないのですが、このことで逆に難しくなります。
詰めた分だけ厚みがでて唇に違和感が生じないかどうかです。
しかし、きわめて少ない量で、色を出すことができました。厚みもとても薄くでき、本人にもとても喜んでもらうことができました。 このケースもまったく歯を削っていません。
術前 術後
ご本人様からも、とてもすばらしい方法なので、他の方にも教えてあげてほしいということで、快くHPに乗せる承諾をもらいました。
ホワイトコートは、以下のような色調で、自然ではありませんが、多くの方に喜んでもらっていました。これまでは他に方法がなかったので、やむおえません。
このホワイトコートは、3ヶ月くらいで部分的にはがれてきますが、運がよければ1年以上はがれずに維持できています。歯は全く削りません。
術前 術後
見た目は、やはり グラディアダイレクトには及びません。
今回のグラディアダイレクトは、歯の表面の処理方法や接着方法がホワイトコートよりも優れているので、数年は問題なく維持できると思っています。
おそらくこれからは、見た目の自然さから、ホワイトコートを選ぶ患者さんは減り、グラディアダイレクトに変わっていくと思います。