癌は口の中にもできます
勤務医の杉本です。
先日、院内勉強会で口の中の癌、口腔癌について話をしました。
知っている方もいらっしゃるかと思いますが、癌は口の中にもできます。
例としては、舌にできる舌癌、歯ぐきにできる歯肉癌、ほっぺたにできる頬粘膜癌、舌の下のところにできる口底癌などです。口の中の癌のほとんどが、今までにあげた例のような扁平上皮癌という上皮からできる癌ですが、たまに唾液を作る工場である唾液腺にできる癌、腺癌というものもあります。
口の中の癌は見た目に分かることが多いです。そのため、歯科医院で口の中をチェックしたりすることで発見されることも多くあります。また、進行してくるとご自身でもすぐにわかるようになり、痛みや違和感、出血などを訴えて歯科医院に来院され、癌が発見されることもあります。
自覚症状が出てくる頃には癌が進行していることも多いため、自身の口の中に興味を持ってチェックすること、そして、歯科医院へ定期的に受診することで早期発見しやすくなります。口腔癌で一番大事なのは予防と早期発見。早期発見すれば治癒率はかなり高くなりますし、手術する時に取らなければならない範囲も狭く済みますので、術後の生活への影響も少なくなります。
予防と言いましたが、口の中の癌ができやすくなるリスクについても書きたいと思います。まず、喫煙。喫煙者は吸わない人に比べて約4倍口腔癌になりやすいと言われています。また、飲酒、合わない入れ歯や被せ物による刺激も関係があると言われています。
まとめると、タバコを吸わず、飲酒はほどほど、きっちりと合った入れ歯や被せ物をし、定期的に歯科医院に通い、ご自身でもしっかりお口の中をチェック、清掃するのがもっとも口腔癌のリスクを低くすると考えられます。もちろん、それで100%癌にならないというわけではないですが…
言葉にすると簡単ですが、意外と難しいものです。あまり気負わずに生活してもらって、口の中のチェックは私たちに任せるくらいの気持ちでいてくださると、ストレスなく生活できるかと思います。
気になることがあれば気軽に私たちにご相談ください。
杉本でした!