歯と歯肉の付着について
歯科衛生士歴6年になります。
初心にかえり、基本的な歯周組織について勉強しなおしました!
今回のテーマは『歯と歯肉の付着について』
健康な歯周組織は歯と歯肉のさかいめがくっついてることによって口腔内の細菌による感染から守られています。
歯周病の予防が目指すものはこの『付着』を失わないようにすること!
歯周病の治療後に目指すものは再びこの『付着』を実現させることです。
付着とは生体のバリアーのようなものです。
大きく分けて
・上皮性付着
・結合組織性付着
それぞれの付着の幅はだいたい 1 ミリ
→生物学的幅径
○上皮性付着○
ヘミデスモゾーム結合によりつながっています
この付着は、再生や破壊が容易におこるところです。
ポケットが深くなるのはここに細菌が溜まり、組織破壊が起こるからです。
→付着の喪失:アタッチメントロス
しかし、再生も容易!
しっかりとしたポケット内細菌のコントロール(SRP)により良好な状態を得られれば再生できます。
たとえば。。。
「歯周治療後の再評価で、プロービングするとかなり改善していて、でも歯肉退縮はほとんど起こってない」
こんなときがよくあると思います。
歯肉の位置がかわってないのにプローブが入らなくなる→付着の獲得が起こったとを意味しています。
これは長い上皮性付着による治癒が起こっているからです。(LJE)
! 実はこの上皮性付着には偽物と本物が!
(本物)
ヘミデスモゾーム結合がある
接着分子とリカンドによる結合
→上皮細胞自身による付着
(偽物)
・歯肉の側方圧で上皮細胞がおさえつけられているだけ
・プラークや歯肉溝の中の細菌により容易に付着を喪失してしまう
実際、本物と偽物の区別は顕微鏡でみてみないと分かりません。
本物であろうと偽物であろうとプローブが入っていかないのであれば細菌も入っていきにくいと考えます。
容易に破壊がおこるデリケートなところなので引き続きプロケアとセルフケアを継続する必要があります。
○結合組織性付着○
コラーゲン繊維がセメント質に埋め込まれた結合で、破壊や再生が困難な部分です。
!実はこれにも偽物が・・ !
コラーゲン繊維が周りを取り囲んでいるだけの状態・・・ゴム止めのようなもの
偽物の結合組織性付着は、天然歯でおこることは少ないといわれており、主にインプラントでおこる付着です。
インプラントを埋入したときに、インプラント周りに当然セメント質はできません。
インプラント周りにコラーゲン繊維はたくさん存在するのでそれが取り囲んでいる状態です。
歯ぐきの中のケアはとっても大切(^ν^)
お家だけではなかなかケアしにくいところでもあります。
しっかりメンテンスで定期的なチェック、歯ぐきの中の細菌を除去していきましょう!
お待ちしてまーす☆
Kajimoto
参考文献:PEC Dr.Hiroのベーシックオープンコース 配布資料
デンタルハイジーン