薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)について

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 薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)について
顎骨壊死は、放射線治療、特定の薬剤ならびに真菌などを含む様々な要因で引き起こされます。
薬物関連顎骨壊死(Medication-related osteonecrosis of the jaw : MRONJ)
→特定の薬剤によって引き起こされる顎骨壊死。
以下の3つの項目を満たすことで診断が下されます。
⑴特定薬剤の使用歴がある。
⑵顎骨への放射線治療歴がない。
⑶医療従事者が指摘してから8週間以上持続して、口腔顔面領域に骨露出を認める。もしくは、口腔内外の瘻孔から触知できる骨を8週間以上認める。
MRONJを引き起こす薬
①BP製剤・・・フォサマック、ボナロン、アクトネル、ベネット、リカルボン、ボノテオなど。ゾメタ、パミドロネート
②デノスマブ・・・プラリア(骨粗鬆症患者用)、ランマーク(悪性腫瘍患者用)
これらは骨吸収抑制薬に分類され、骨粗鬆症治療に使用されます。
顎骨壊死の種類
BRONJ→BP製剤関連顎骨壊死
DRONJ→デノスマブ関連顎骨壊死
骨粗鬆症は1,300万人以上(人口の10分の1以上)になることが推測されている。
MRONJを起こす危険性があるもの(リスク因子)
⑴薬剤に関するMRONJのリスク
BP製剤、デノスマブならびに血管新生抑制薬を使用している人。さらに、これらの薬剤をステロイド製剤または化学療法薬と併用することでリスクは著しく増大します。
⑵局所的な因子
抜歯、インプラント埋入、歯周外科手術ならびに歯根端切除術などの外科的処置。
下顎骨のほうが上顎骨よりもリスクが高くなります。
骨突起が存在する薄い粘膜もリスクが高いので注意が必要です。さらに、口腔清掃状態が不良である口腔環境や口腔内の外傷もMRONJのリスクとなりえます。
不適合な義歯を装着している患者さんもMRONJのリスクとなることが報告されています。
⑶その他の因子
高齢者のほうが若年者よりもMRONJのリスクが高いことが報告されています。また、悪性腫瘍で注射BP製剤を使用する患者さんは、MRONJのハイリスクとなります。

使用している薬剤は定期的に伝えておくことが大事です。

                  Fujioka

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