全身状態の観察ポイント

お昼のミーティング

近ごろ、全身状態になんらかの問題を持ちながらも歯科に訪れる患者さんが増えてきています。

 

今回は全身状態の観察ポイントについて調べました。

 

●観察ポイント●

その①『歩行 歩行速度 姿勢』

診療室に入ってきたときの歩き方、ユニットへの動作をチェックします。

身体の動かし方は、全身の運動機能、ADL(日常生活動作)がかかわってきます。

足どり、うつむき加減からは、患者さんの不安や緊張などをうかがうことが可能です。

 

その②『体型』

極端に太っている人は、メタボリックシンドロームの可能性を考えます。睡眠時無呼吸症候群と口呼吸との関連もあります。極端に痩せている人は栄養状態の問題や、※フレイルの可能性が考えられます。

※フレイル  :  高齢になることで、筋力や活動性、精神面が衰えてくる虚弱状態

 

その③『顔貌.顔色』

全身疾患や全身状態の異常が顔貌、顔色に影響を及ぼす場合があります。

それらの可能性を考えて患者さんに対応していくことが大切です。

・満月様顔貌

ステロイド薬の長期服用、自己免疫疾患など

・むくみ

腎機能障害、心不全、甲状腺機能低下症

・黄色

肝機能障害、胆嚢、膵臓の病気など

・発疹、疱疹

ウイルス性疾患、アレルギー性疾患など

・眼球突出

バセドウ病など

・アトピー

アレルギー性疾患など

・赤ら顔

高血圧症、発熱、多血症

・チアノーゼ

呼吸器疾患、先天性心疾患

・蒼白

貧血など

 

その④『全身疾患が疑われる口腔、顔面周囲』

・舌の乾燥や萎縮

シェーグレン症候群、鉄欠乏貧血、悪性貧血

・歯肉増殖

歯周疾患だけでなく、高血圧症の患者さんが服用する降圧剤(カルシウム拮抗剤)の副作用としてみられることがあります。

高血圧治療薬のうちカルシウム拮抗薬(商品名:ニフェジピン、アダラート、アムロジンなど)降圧剤以外にも抗てんかん薬のフェニトイン(商品名:アレビアチン、ヒダントールなど)などもあります。

・耳たぶの皺

顔面周囲の変化、特徴からも全身疾患の可能性を予測できるケースもある。耳たぶのシワは動脈硬化症疾患との関連が指摘されています→Frank兆候

・バチ状指

先天性心疾患にみられます。

・頸部の腫脹

甲状腺疾患にみられます。

・クモ状血管腫

胸や肩のクモ状血管腫の存在からはウイルス性肝炎や肝硬変を疑います。

 

われわれ歯科衛生士も、歯や歯周組織だけでなく、全身状態や全身疾患について把握し、口腔の状態と全身の状態とを関連づけながら、それぞれの状態に合わせた安全な口腔健康管理を進めていくことが大切です。

 

日頃から患者さんを細かく観察し、少しの変化にも気が付ける衛生士になれるよう頑張ります(^^)

 

 resize1139.jpg

Kajimoto 

関連記事一覧

カテゴリー