糖化について
最近寝ても寝ても眠い。睡眠不足だ。疲れが取れない。 などの体調不良は、糖が原因です。
通常、食事をすると血糖値は緩やかに上がり、その後緩やかに下がり、食後3~4時間後には、空腹時と同じ値になって安定します。
ところが糖質過多の食事を続けていると、血糖値調整がうまくいかなくなり、少量の糖質を摂っただけでインスリンが大量分泌され、血糖値が低い状態が続くといったことになる。すると脳へのブドウ糖の供給も不安定になり、自律神経が乱れます。
その結果、疲労感、だるさ、朝起きるのがつらい、思考力や集中力の低下、強い眠気、イライラや不安感が増す、感情の起伏が激しくなるといった症状が表れます。
糖化は、食事などから摂った余分な糖質が体内のたんぱく質などと結びついて、細胞などを劣化させる現象。これが進むと肌のシワやくすみ、シミなどとなって現れます。それだけでなく、糖化によってつくられるAGE(糖化最終生成物)は内臓をはじめとする体内組織に作用して、多くの病気の原因となることが知られています。
蓄積したAGEが体に及ぼす影響 |
糖尿病、メタボ、しわたるみ、薄毛、癌、心筋梗塞、脳梗塞、ED、不整脈、うつ、認知症(アルツハイマー病)、白内障、加齢黄斑変性症、歯周病、関節炎、骨粗鬆症、脂肪肝、更年期障害 |
体にAGEができやすいのは食後1時間。
食後30分から1時間で血糖値が上がるため、その時に糖化が起こります。糖化を防ぐには、食後の血糖値が問題になります。
糖分は、人間が生きていくための重要な栄養素です。そのため、糖分の摂取は必要です。そこでポイントとなるのは、急激に血糖値を上げない食品を選ぶこと。
低GI食(49以下) | 野菜類 | いんげん、玉ねぎ、トマト、長ネギ、キャベツ、ピーマン、大根、ブロッコリー、ナス、小松菜、きゅうり、レタス、もやし、ほうれん草、豆腐、納豆 |
穀類、麺類 | 麦、おかゆ(玄米)、パスタ(全粒粉) | |
中GI食(50~79) | 野菜類 | かぼちゃ、やまいも、とうもろこし、里芋、さつまいも、ぎんなん、そら豆 |
穀類、麺類 | 発芽精米、玄米、もち米、おかゆ(精白米)、そば、クロワッサン | |
高GI食(80以上) | 野菜類 | じゃがいも、にんじん、グリンピース |
穀類、麺類 | 精白米、お餅、うどん、食パン、ロールパン、フランスパン |
【食べる順番を意識しよう】ベジファーストを実践
野菜や海草類などの食物繊維を豊富に含む食材は血糖値の上昇をゆるやかにするため、最初に食べるのがおすすめです。
①野菜や海草類 ⇒ ②肉・魚・卵 ⇒ ③ごはん・めん類・パンの順に食べるようにしましょう。
【食材を選ぼう】低GI食材に置き換える
血糖値を急激に上げる食品と上げにくい食品があります。その目安となるのがGI値※です。
低GI食材は血糖値を上げにくいため、AGEsの生成を抑える効果が期待できます。
精白米 → | 玄米、雑穀米 |
フランスパン、食パン → | 全粒粉、ライ麦パン |
うどん、中華麺、パスタ→ | そば |
じゃがいも → | さつまいも |
パイナップル → | いちご、オレンジ |
グラニュー糖 → | メープルシロップ |
【調理法を工夫をしよう】焼き色に注意する
同じ食材でも、調理方法でAGEsの量が大きく変わります。
糖化はカラダのこげとも呼ばれているように、こんがりとおいしそうな焼き色は、糖化によってAGEsが生成されたということです。
高温でこんがり調理するよりも、生で食べられるものは生で食べましょう。
AGE小 | 生 |
↓ | 蒸す |
↓ | 煮る |
↓ | 炒める |
↓ | 焼く |
AGE多 | 揚げる |
血糖値が一番上がるのは食後1時間。 この時に運動することが重要です。
・30分から1時間のウォーキング
・エアロビクスなどをはじめとする有酸素運動
・運動によって精神的ストレスを減らせる
・運動後の水分は、糖分をあまり多く含まないものを選ぶ
タバコの煙がAGEを増やす
自分で吸うだけでなく、隣にいる人の副流煙を吸うだけでも、約30分でAGEを増やしてしまうと報告されています。
糖化は「老化」と「病気」の大きな要因です。しかし、自分の努力で糖化を抑制することができます。若さと健康のために、これらのことをぜひ参考にしてください。
TOCHIKA