味覚障害というのは、味覚の感度が低下したり消失したりする状態のことをいいます。

 

<具体的な症状>

・味が薄く感じられる
・味がまったく分からなくなる
・本来の味と違う、嫌な味がする
・甘味や塩味だけが感じられない
・何も食べていないのに、口の中が苦い

  といった症状があります。

そして、味覚障害を説明するうえで大切な味蕾についてです。

味蕾というのは、味を感知する器官で味細胞という細胞の集まりです。
個人差はありますが、7000~9000個程度あり、舌だけでなく軟口蓋や、咽頭等お口の中の粘膜にも味蕾は存在します。
中でも味蕾が多く存在している場所が舌の表面にある舌乳頭です。
このように、お口の中に存在する味蕾という器官で甘味、苦味、酸味、旨味、塩味全てを感じ取り、食べ物がお口の中に入ると、味蕾の中にある味細胞が味を識別しそこで感じた味を神経を通じて脳に伝達します。
この時に、私たちは初めて口の中に入れた物が"何味"なのか判断できるということです。

<味覚障害の原因>

・偏った食生活による亜鉛不足

味細胞の寿命は1ヶ月ほどで、1ヶ月かけて古い物と新しい物が入れ替わります。この入れ替わりの時に亜鉛が必要になります。亜鉛が不十分な状態だと入れ替わりは起きません。すると、味細胞は古いままの状態になり、古い味細胞は味の情報を正確に伝達できないため味覚障害に繋がります。
・舌苔

舌の表面には舌苔という白い苔のようなものが薄く付いています。疲れたりストレスが強いときや、風邪で高熱が出たときに厚くなり、厚く積もった舌苔が味蕾を覆うことにより、味覚障害になる可能性があると言われています。

・唾液の分泌量の低下

唾液の量が減ると食べ物の味物質が溶け出しにくくなり、舌の表面の味蕾が働きにくくなるために味覚障害が起こります

その他、加齢や舌炎、薬の副作用、頭頸部癌の放射線治療、貧血、顔面神経麻痺、脳梗塞、脳出血なども味覚障害の原因になるといわれています。

<対処法>

・亜鉛の多く含まれている食品を摂取することで、症状緩和が期待されることがあります。

牡蠣や豚肉(レバー)、牛肩ロース、牛ヒレ、牛モモ、卵黄、胡麻が比較的亜鉛含有量が多い食品になります。バランスよく食事に取り入れていきましょう。

・舌を磨くこと

鏡で舌の汚れを確認し、ブラシで3?4回をめどに優しく奥から手前に動かすイメージで行います。やりすぎると舌に傷がついてヒリヒリ痛むことがあるので、週に2~3回程度を目安に行いましょう。

・お口を潤わせること

食事前に唾液腺マッサージやあいうべ体操を行うと、唾液の分泌量が促進されて食事のための準備が整ったお口に近づきます。また、ガムを噛んだり、舌回しも
唾液の分泌量が期待できます。

・食事の味付け

味覚の低下により、食事の味付けははっきりとしたものが好まれる傾向にあります。
だからといって濃い味付けにしてしまうと塩分、糖分過多になりかねません。

そのため、出汁をきかせる、胡麻や柚子などの香りが楽しめる食材や酢を利用する、旨味をきかす、香辛料や香味野菜を使い、味に変化をつけたメニューにする
といった工夫が必要になります。

普段のお食事で味覚の低下を感じられたことはありませんか?味覚障害になってしまうとせっかくのお食事が楽しめないですよね。
味覚障害の原因は様々ですが、歯科衛生士として患者さんに合わせた対処法を指導をさせて頂きますので、いつでもお声掛けくださいね。

 

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              Nomura

  

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